見積金額の大きい順に電話しても、自社の回答が止まっている案件や、連絡日を約束した案件を見落とすことがあります。「どれが売れそうか」だけでなく、「何を止めてはいけないか」から考えることが大切です。
この記事では、限られた時間で既存案件をフォローするために、連絡する順番と具体的な行動を決める方法を整理します。ここで示す順番は運用のたたき台です。実際に外部へ追客を任せる場合は、委託元の営業責任者や経営者が基準を確認し、承認した範囲で使います。
金額と「検討中」だけでは、今日の優先順位が決まらない
案件一覧に会社名、見積金額、見込み度が並んでいても、次の連絡を判断できるとは限りません。
同じ「検討中」でも、見積内容への質問にこちらが回答していない案件と、先方から「設備計画が決まるまで待ってほしい」と言われた案件では、今やるべきことが違います。前者は自社の回答準備、後者は約束した時期まで待つ管理が必要です。
先に、優先順位を決める材料をそろえます。
- 最後に連絡した日と、相手から返事があった日
- 相手と約束した連絡日や回答期限
- 相手に確認した検討予定、決裁予定、導入予定
- 自社がまだ答えていない質問
- 次に行うことと、それを行う人
- 連絡を控える希望や、窓口に関する取り決め
営業案件の情報収集、優先順位付け、進捗管理は、Sansanの案件管理解説でも扱われています。この記事では、その中でも「連絡する順番」に絞って考えます。参考:Sansanの案件管理解説
情報が足りない案件を、想像で「見込みが薄い」と下げる必要はありません。「判断材料が不足している」と記録し、まず履歴を確認する作業に分けます。案件自体の整理から必要なら、営業案件の棚卸しの進め方も参考にしてください。
最初に、連絡できる案件と止める案件を分ける
優先順位を付ける前に、連絡対象として適切かを確認します。
相手から営業連絡を断られている、担当営業が別途やり取りしている、代理店を窓口にする約束がある。こうした情報を見ずに連絡すると、相手に同じ説明を求めたり、約束と違う経路で接触したりするおそれがあります。
次の状態なら、連絡する一覧からいったん分けます。
- 今後の連絡を望まない意思が確認できている
- 連絡先や案件の担当窓口が正しいか分からない
- 自社内で別の人が対応中かどうか確認できていない
- 代理店や紹介元との取り決めを確認する必要がある
- 苦情や契約上の問題があり、通常の営業連絡として扱えない
分けた案件にも、理由を残します。「連絡停止」「窓口確認待ち」「自社内で対応確認」と書き分ければ、あとから一覧に戻した人が事情を知らずに連絡することを防げます。
約束・自社の宿題・検討予定から順番を決める
相手との約束に、間に合う動きをする
「次回は決裁会議の前に資料を送る」「見積内容への回答は金曜日まで」と約束している案件は、期限から逆算して確認します。
連絡日が近いからといって、すべて電話するわけではありません。資料が必要なら準備し、技術確認が必要なら社内へ依頼します。約束を守るための次の作業を、予定に入れることが先です。
期限を過ぎている場合は、何が止まっているかを確認します。回答を用意できないまま、進んでいるように伝えてはいけません。担当営業に状況を戻し、相手に伝える内容と新たな回答予定を決めます。
自社の回答待ちは、顧客への催促から外す
相手が判断できない理由が、こちらの未回答事項にあるケースもあります。
たとえば、納期、仕様への適合、見積条件について質問を受けたままなら、「その後いかがですか」と聞く前に回答をそろえる必要があります。優先順位は高くても、行き先は顧客ではなく自社の技術担当や営業です。
追客を任せる側は、質問の原文、確認先、回答期限を渡します。追客する人が自分の判断で仕様や納期を約束する運用にはしません。
検討予定は、相手が伝えた情報を使う
導入計画を見直す予定、予算を検討する予定、比較が終わる予定など、相手が実際に伝えた時期を確認します。
「この業界ならそろそろ決まるはず」という推測を、先方の予定として登録しないことが大切です。予定が不明なら「未確認」、営業側の想定なら「自社の見立て」と分けます。
また、「来期に検討する」という返事だけで、毎月の連絡が了承されたことにはなりません。次に連絡する時期と目的を確認し、相手の希望に合わせます。
同じ条件の案件は、自社で決めた重要度で比べる
約束や確認作業を整理したうえで、同じ時期に動かす案件が重なったら、自社の受注方針に照らして比較します。
見る材料は、確認できている見積金額や粗利、提供できる商材との適合、納期への対応可否、相手の検討条件などです。ただし、金額が大きくても必要な仕様に対応できない案件を、連絡回数だけ増やして進めることはできません。
粗利が分からないなら、売上金額を粗利の代わりに使わず「未確認」とします。また、根拠のない受注確率を付けて期待売上を計算すると、見た目だけ細かな優先順位になってしまいます。まずは、確認できている条件で判断できる範囲を決めます。
外部へ追客を依頼する場合は、「今期の導入が確認できた案件を先に扱う」「技術回答が必要な案件は社内へ返す」など、委託元が承認した基準を使います。例外が出たときは、優先順位を付けた理由とともに確認できるようにします。
4つの案件を比べると、次の動きが見える
モデルケース(実例ではありません)
少人数の設備販売会社で、次の4案件が一覧に残っているとします。この会社では、連絡の希望と約束を優先し、自社の回答待ちを先に解消する方針を決めています。
案件A:見積金額は大きいが、連絡を待ってほしいと言われている
先方から「投資計画がまとまるまでは連絡不要。決まり次第こちらから伝える」と返事がありました。
今行うことは、待機の理由と相手の希望を記録することです。金額の大きさを理由に電話の優先対象へ戻しません。社内で見直す日を設けても、それは顧客へ再連絡してよい日とは区別します。
案件B:技術的な質問への回答を待っている
先方から設置条件について質問があり、自社の確認が終わっていません。回答期限は近づいています。
まず、質問内容と期限を技術担当へ伝え、回答の準備状況を確認します。追客担当が判断する案件ではありません。回答がそろったら、担当営業が内容を確認して相手へ返します。
案件C:今日、検討状況を確認する約束がある
前回の連絡で、「社内会議のあとにメールをもらえれば返事できる」と合意しています。
約束した方法で連絡します。会議があった事実も、その結果も未確認なら、結論を決めつけずに尋ねます。返答を受けたら、必要な資料と次回の連絡予定を決めます。
案件D:見積提出後の返事がなく、履歴も不十分
最後の送信記録はありますが、先方の返事や次回予定が見つかりません。
最初の作業は、送信先と担当営業の履歴を確認することです。別経路で返事が来ていないかを確かめ、連絡できる条件がそろったら状況確認を検討します。「返事がないから失注」とは扱いません。
この例で予定に入れるのは、Bの社内確認、Cへの合意済みの連絡、Dの履歴確認です。Aは待機として管理します。順位を付けるときは、連絡先だけでなく、やる作業まで決めると迷いが減ります。
並べ替えたあとに、実行と記録までつなぐ
優先順位を決めても、一覧を眺めるだけで終わると案件は動きません。各案件に「次の作業」「行う人」「期限」を残し、作業後に結果を更新します。
「連絡済み」だけでは、返事があったのか、不在だったのか分かりません。「質問を受領」「社内確認中」「再商談を調整」「返答なし」「連絡停止」など、次の判断に必要な状態を残します。返答がない場合も、初めに決めた連絡の上限や見直し条件に沿って扱います。
管理項目を具体化したい場合は、追客に使う営業案件管理表の作り方へ進んでください。
順番は決められても、連絡する時間が足りないとき
案件を並べ替える時間と、実際に連絡して履歴を残す時間は別に必要です。優先順位を決めても予定どおりに進まない場合は、対象が多すぎるのか、確認先が決まっていないのか、継続連絡を行う時間が不足しているのかを切り分けます。
セコンドデスクでは、現在、営業案件の整理や管理の仕組みについて相談を受け付けています。初回相談は30分無料です。継続的な追客代行は提供準備中のため、まずは案件の整理方法と、任せられる業務の切り分けをご相談ください。
初回は顧客名や見積書の添付は不要です。「連絡日が分からない案件がある」「順番は決めたが追い切れない」など、困っている状態を概要でお知らせください。
参考情報・この記事について
- 営業の案件管理とは?管理項目から効果的な管理法まで完全解説|Sansan(確認日:2026-09-15)
本記事の手順・判断表は、実務で検討するための編集上の提案です。モデルケースと文例は実在の顧客や導入実績を示すものではありません。
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