Column
営業事務の効率化で、
最初にツールを入れると失敗する。
新しいツールを入れると、最初の2週間は速くなります。そのあと元に戻ります。作業の中身を分けないまま器だけ変えても、量は減らないからです。順番があります。やめる、まとめる、型にする、渡す。この4つを、この順番でやります。
まず、作業を4つに分ける
営業事務を効率化するとき、多くの場合いきなり「どう速くやるか」を考えます。その前に、そもそもやるべきかどうかで分けます。速くやる工夫が必要なのは、4つのうち最後の2つだけです。
そもそも要らない作業
誰も見ていない報告、使われていない項目、二重に残している記録。「昔から作っているから」で続いているものが必ずあります。止めても困らないかは、1ヶ月止めてみれば分かります。
- 提出先が定例会議だけの資料
- CRMとExcelの両方に同じ数字を書いている
- 入力しているが集計に使っていない項目
- 宛先が全員になっている報告メール
都度やっているが、まとめられる作業
1件ごとにやると、そのたびに頭を切り替える時間がかかります。件数が少ないうちは、まとめる方が速くなります。ただし顧客を待たせるものは対象外です。
- CRM入力を1日1回まとめて行う
- 請求書の発行を月2回に固定する
- 社内確認を朝に1度だけ送る
- 案件の棚卸しを週1回の決まった曜日に
毎回考えているが、型にできる作業
同じことを毎回ゼロから書いています。3回以上繰り返した文面・手順は、型にできます。ここが一番効きます。型があると、速くなるだけでなく人に渡せるようになります。
- お礼メール・確認メールの文面
- 見積書の標準構成と、変える箇所だけの指定
- 商談メモの書式(誰に・何を・いつまでに)
- 「こうなったら社長に確認」の条件一覧
型になったものを、人に渡す
03まで済んだものだけが、渡せます。型が無いまま渡すと、教える時間の方が長くなります。渡す先は社内の別の人でも、外部でも、やることは同じです。
- 入力・登録・集計といった処理そのもの
- 日程の調整と前日リマインド
- 定型部分の下書きと承認依頼
- 未設定・停滞案件の抽出と報告
The point
「速くやる」ではなく「やらなくていい状態にする」
効率化の相談で最も多いのが、04から入ろうとするケースです。人を増やす、外注する、ツールを入れる。どれも「誰かが速くやる」ための手段です。
ですが実際に時間を食っているのは、01と02、つまり「やらなくてよかった作業」と「まとめれば1回で済んだ作業」であることが多くあります。ここを残したまま渡すと、無駄がそのまま複製されます。
01と02は、お金がかかりません。決めるだけです。先にここをやってから、残ったものを03で型にして、04で渡します。
効率化できたかを、3つの数字で見る
「なんとなく楽になった」で終わらせると、次に何を直せばいいか分かりません。次の3つを、始める前と1ヶ月後に数えます。それだけで、効いたかどうかが判定できます。
1件あたりに
かかっている時間
見積1件、商談後の入力1件にかかる時間。速くなったかを直接見る数字です。
差し戻し・
やり直しの件数
速くなっても、やり直しが増えたら意味がありません。品質の側を見る数字です。
「あの人に聞かないと
分からない」の回数
属人化が減ったかを見る数字です。効率化の本当の効果はここに出ます。
よくある失敗:全部を一度に変えようとする
4分類を作ったあと、全業務に一斉に手をつけると、まず止まります。営業事務は毎日発生し続けるので、改善のために業務を止められないからです。
現実的なのは、1〜2業務に絞って、そこだけ4段階を通すことです。1つ通し切ると、型の作り方も、渡し方も、測り方も分かります。2つ目からは速くなります。
どの業務から手をつけるかは、「頻度が高く、判断が少なく、手順を説明できる」ものから選びます。外注できる業務のチェックは、この選び方を8問にしたものです。外注しない場合でも、着手順を決めるのに使えます。
4分類を、その場で
一緒に作ります
30分だけお時間をください。いま発生している作業を挙げて、やめる・まとめる・型にする・渡すに仕分けます。01と02だけで済むなら、そうお伝えします。
30分の無料相談へ売り込みの電話・メールは行いません / 相談だけで終わっても構いません