Column

日程調整を自動化しても、
調整はなくならない。

予約ページを送れば、候補日を並べるメールは書かなくて済みます。ただし、自動化できるのは「空き枠を出すところ」までです。その先に、人が判断しないと決まらない場面が残ります。どこまでが自動化の範囲かを、先に分けておきます。

まず、自動化できる部分とできない部分を分ける

日程調整ツールには、大きく2つの方式があります。自分の空き枠を公開して相手に選んでもらう「予約ページ型」と、複数の候補日を出して相手に選んでもらう「候補提示型」です。どちらも、自動化されるのは左側だけです。

自動化できる

Auto — 道具で置き換えられる

  • カレンダーの空きを調べる
  • 候補の時間帯を並べる
  • 相手が選んだ枠を確定する
  • カレンダーに登録する
  • 会議URLを発行して添える
  • 前日にリマインドを送る

人が要る

Human — 判断が入る

  • どの相手を優先して枠を空けるか
  • 先方が予約ページを使わない場合の対応
  • 複数人の同席が必要なときの順番決め
  • 直前の変更・キャンセルへの差配
  • 先に入れた予定を動かすかどうか
  • 訪問の移動時間を見た枠の押さえ方
右側が残るので、ツールを入れても「調整の仕事」自体は消えません。 減るのは、メールを書く時間と、往復の待ち時間です。それでも十分に効果はありますが、「自動化すれば日程調整はゼロになる」と期待して入れると、残った右側が想定外の負担に見えます。

自動化が効かない4つの場面

BtoBの商談では、次の場面がそれなりの頻度で発生します。ここを想定せずに運用すると、結局メールでのやり取りに戻ります。

Case 01

先方が予約ページを開かない

役職が上の方、ITに慣れていない業種、大企業でセキュリティ上リンクが開けない場合。URLを送ったまま返事が止まり、こちらから追いかけることになります。

決めておくこと

何日返事がなければ、候補日をメール本文に直接書いて送り直すかを決めます。「3営業日で切り替える」のように日数で決めておくと、追いかける判断が要らなくなります。

Case 02

先方の同席者が増える

「上長も同席するので調整させてください」と言われた時点で、自動化の外に出ます。相手側の社内調整が終わるまで、こちらは待ちになります。

決めておくこと

先に押さえた枠を、いつまで空けておくかを決めます。空けたまま忘れると、他の商談を入れられません。「回答期限までは押さえ、過ぎたら解放する」を運用として決めます。

Case 03

訪問の移動時間が読めない

オンラインなら連続で入れられますが、訪問は移動が挟まります。移動時間を見ずに枠を公開すると、間に合わない予定が入ります。

決めておくこと

訪問がある日は、その前後に移動用の枠をカレンダーへ先に入れます。公開する空き枠を「オンラインのみ」に限定し、訪問は個別対応にするのが単純で確実です。

Case 04

直前の変更が入る

前日や当日のキャンセル・変更。自動で別の枠に振り替わっても、その日の他の予定との兼ね合いは人が見ないと決まりません。

決めておくこと

変更依頼が来たときに、誰が返事をするかを決めます。営業担当が商談中でも止まらないよう、代わりに返せる人を1人置きます。返せる範囲(同週内なら即決、翌週以降は確認)も決めておきます。

The point

自動化してから、残りを人に渡す

日程調整を人に頼む場合、自動化できる部分まで人にやらせるのは、お金の使い方として良くありません。カレンダーの空きを調べて候補を並べる作業は、道具の方が速くて正確です。

順番としては、まず予約ページ型のツールで左側を自動化し、残った右側だけを人が引き取る形になります。こうすると、頼む量そのものが小さくなります。

セコンドデスクが日程調整を引き受ける場合も、この形です。時間を売っているのではないので、自動化できる部分を人手でやり続ける提案はしません。

ツールを入れる前に決める3つのこと

設定画面を開く前に、この3つを決めておくと迷いません。決めずに始めると、公開する枠が広すぎて予定が埋まりすぎるか、狭すぎて日程が先送りになります。

公開する時間帯と、公開しない時間帯

すべての空き時間を公開すると、集中して作業する時間が消えます。商談を入れてよい時間帯を先に決めます。例えば午前は事務、午後を商談枠にする、といった形です。

決め方の目安 1週間のうち、商談以外にどうしても要る時間(見積作成・資料準備・移動)を先にカレンダーへ入れる。残った時間だけを公開する。
予定と予定の間に、何分空けるか

連続で入ると、記録を残す時間がなくなります。商談の直後に15分あるかどうかで、その日のうちに入力が終わるかが変わります。移動がある日はさらに必要です。

何日先まで、何日後から予約を受けるか

「明日から」にすると準備が間に合わず、「1週間後から」にすると商談が遠のきます。準備に必要な日数から逆算して決めます。初回商談と2回目以降で分けても構いません。

この3つは、ツールを使わない場合にも必要です。 メールで候補日を出すときも、同じ基準で選んでいるはずです。基準が頭の中にあると、他の人が代われません。紙に書き出しておくと、そのまま引き継ぎの材料になります。

当方が引き受ける範囲

セコンドデスクは、日程調整ツールの選定・導入・設定を行いません。行うのは、上で「人が要る」に分類した側と、その周辺の事務です。

  • 予約ページを開かない相手への、候補日メールの送付と追いかけ
  • 複数人が同席する場合の、社内側の空き確認と枠の押さえ
  • 確定後のカレンダー登録、会議URLの発行、前日のリマインド
  • 商談前の顧客情報・過去のやり取りの整理
  • 変更・キャンセルが入ったときの、決めた範囲での差し替え

判断が必要な部分(どの相手を優先するか、先の予定を動かすか)は、条件として先に決めていただき、その条件のとおりに動きます。条件から外れるものは確認します。線引きは対応業務のページに業務ごとに書いています。

どこまで自動化できるかを、
一緒に見ます

30分だけお時間をください。いまの調整のやり方を伺って、自動化で消える部分と残る部分を分けます。ツールを入れるだけで済むなら、そうお伝えします。

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